11 ,2008
翠滴 1-9 漆黒の間 4 (32)
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□R指定要素の表現があります。苦手な方はスルーで~!□
屋敷に着く頃、漸く東の空に月が昇り始めた。
夜空を占めていた満点の星たちは迫り来る月光にその姿を朧にし、広大な田園にも月の光が落ちて足許にも道が出来た。周と享一はその月光から逃れるように、闇の中を手を繋ぎ目的の場所へと急ぐ。享一は青白い月の光に捕えられてしまうと、繋いだ2人の手の熱が冷え切っていきそうで、恐かった。
周の部屋で、2人してもう一度シャワーを浴び、終始無言で濡れた身体もろくに拭わず、そのままベットに縺れ込む。
自分から足を開いて周を招き入れた。
今は、熱病に浮かされたみたいに、周が欲しくて欲しくて、堪らなかった。
背中に手を回し、奪い合うようにキスをする。
周が、ゆっくり腕の付けねや胸や腹に花弁を散らしながら降下していき、同時に後孔を解してゆく。そんな緩やかな愛撫にも焦れて享一の腰が揺れだし、自分の変化に慄く。そして、更に感情が昂ぶった。周がわざと手を触れてこない男蕊は蜜を滴らせ、茎を伝い落ちる蜜は享一の中で蠢く周の指まで濡らしていく。
じれったくて気が狂いそうだ。
周だってもう、わかっている筈なのに・・・
躊躇いながらも自分を慰めようと這わせる指は、周に摑まりギリリと噛まれ、甘い悲鳴があがる。
享一の口から強請らせようとわざとゆっくり攻めている。膨張する欲望に耐える余裕など享一には無い。ただ、周の熱で焼いて欲しかった。
胸の楔も、将来も夢も大学も、日常も何もかも焼き尽して忘れて、溺れたい。それだけだ。
「周、もう・・いいから。もう・・・・きて」
端から、余裕などなければ我慢をする気もない。語尾は甘く掠れ、喘ぎはすすり泣きのように上擦っている。周も同じなのだろう。
いつものように煽る言葉も無く、頤に歯を立てるのと同時に灼熱が享一を貫いた。濡れた嬌声と共に躯が痙攣し、背中が大きく反り返る。
「イイ・・・周・・・もっと。もっと奥まで突いて・・・ああ!」
「享一、享一。キョウ・・・」
周が何度も名前を呼ぶ。ずっとずっと呼んでい欲しかった。
互いが互いに縋り付き合いながら柔らかい闇の底に堕ちていく。漆黒の闇の彼方ににぽつんと小さく、卵色の電燈の光が落ちている。その中にこちらを向いて佇む人がいる。
少し小首を傾げる仕草が、最近自分の中に住み出した愛しい人に似ている。
なのに、遠すぎて表情がわからなかった。
いっぱい傷ついて、優しくしてもらいたいのは、本当は周の方なのかもしれない。
弱い卵色の光の中で、すらりとしたその美しい姿でぽつんと佇む周を見た時、そう思った。暗い闇を背景に浮き上がる周の姿は、自分の未熟な腕の中にでも納まりそうなほどに儚かった。
この男が欲しい。
大人で我侭で、高潔で下品で、頭脳も容姿も兼ね備えた、凛と咲く白い花のような美しい男。夜眠るとき、享一に抱きついて離れない。不埒なくせに寂しい眼をする、ひとりの男の質量と熱を持ったスピード狂の唯の男。
周が欲しい。周が欲しい。ちょっとイカれた、この美しい男を手に入れたい。
喩えこの先、男の気持ちが変わるとしても。
その癖、俺は祝言の当日、逃げ出した。
周に自分の気持ちを伝える勇気が持てず、「ここにいる間だけ」と言い切った周に、この気持ちを拒否された時のことばかりを想像してしまう。
本当は自分の熱だけが上昇していて、周の方はひと夏の関係と割り切っているのだとしたら?そう思うと恐ろしくて告白など出来なかった。
由利が自分を捨てた時のことが何度も頭を過ぎった。だが常に頭の隅に警笛を聞きながらも墜ちていった想いは尚も深い。
もし、周に拒否をされたなら由利と別れた時の、その何百倍、何千倍ものダメージが襲ってきそうだった。それほどまでに、周という男は自分を支配している。
祝言さえ終わらなければいい。
単純で馬鹿みたいな考えが何度も去来し、気付いたときには襦袢姿のまま走り出していた。
□R指定要素の表現があります。苦手な方はスルーで~!□
屋敷に着く頃、漸く東の空に月が昇り始めた。
夜空を占めていた満点の星たちは迫り来る月光にその姿を朧にし、広大な田園にも月の光が落ちて足許にも道が出来た。周と享一はその月光から逃れるように、闇の中を手を繋ぎ目的の場所へと急ぐ。享一は青白い月の光に捕えられてしまうと、繋いだ2人の手の熱が冷え切っていきそうで、恐かった。
周の部屋で、2人してもう一度シャワーを浴び、終始無言で濡れた身体もろくに拭わず、そのままベットに縺れ込む。
自分から足を開いて周を招き入れた。
今は、熱病に浮かされたみたいに、周が欲しくて欲しくて、堪らなかった。
背中に手を回し、奪い合うようにキスをする。
周が、ゆっくり腕の付けねや胸や腹に花弁を散らしながら降下していき、同時に後孔を解してゆく。そんな緩やかな愛撫にも焦れて享一の腰が揺れだし、自分の変化に慄く。そして、更に感情が昂ぶった。周がわざと手を触れてこない男蕊は蜜を滴らせ、茎を伝い落ちる蜜は享一の中で蠢く周の指まで濡らしていく。
じれったくて気が狂いそうだ。
周だってもう、わかっている筈なのに・・・
躊躇いながらも自分を慰めようと這わせる指は、周に摑まりギリリと噛まれ、甘い悲鳴があがる。
享一の口から強請らせようとわざとゆっくり攻めている。膨張する欲望に耐える余裕など享一には無い。ただ、周の熱で焼いて欲しかった。
胸の楔も、将来も夢も大学も、日常も何もかも焼き尽して忘れて、溺れたい。それだけだ。
「周、もう・・いいから。もう・・・・きて」
端から、余裕などなければ我慢をする気もない。語尾は甘く掠れ、喘ぎはすすり泣きのように上擦っている。周も同じなのだろう。
いつものように煽る言葉も無く、頤に歯を立てるのと同時に灼熱が享一を貫いた。濡れた嬌声と共に躯が痙攣し、背中が大きく反り返る。
「イイ・・・周・・・もっと。もっと奥まで突いて・・・ああ!」
「享一、享一。キョウ・・・」
周が何度も名前を呼ぶ。ずっとずっと呼んでい欲しかった。
互いが互いに縋り付き合いながら柔らかい闇の底に堕ちていく。漆黒の闇の彼方ににぽつんと小さく、卵色の電燈の光が落ちている。その中にこちらを向いて佇む人がいる。
少し小首を傾げる仕草が、最近自分の中に住み出した愛しい人に似ている。
なのに、遠すぎて表情がわからなかった。
いっぱい傷ついて、優しくしてもらいたいのは、本当は周の方なのかもしれない。
弱い卵色の光の中で、すらりとしたその美しい姿でぽつんと佇む周を見た時、そう思った。暗い闇を背景に浮き上がる周の姿は、自分の未熟な腕の中にでも納まりそうなほどに儚かった。
この男が欲しい。
大人で我侭で、高潔で下品で、頭脳も容姿も兼ね備えた、凛と咲く白い花のような美しい男。夜眠るとき、享一に抱きついて離れない。不埒なくせに寂しい眼をする、ひとりの男の質量と熱を持ったスピード狂の唯の男。
周が欲しい。周が欲しい。ちょっとイカれた、この美しい男を手に入れたい。
喩えこの先、男の気持ちが変わるとしても。
その癖、俺は祝言の当日、逃げ出した。
周に自分の気持ちを伝える勇気が持てず、「ここにいる間だけ」と言い切った周に、この気持ちを拒否された時のことばかりを想像してしまう。
本当は自分の熱だけが上昇していて、周の方はひと夏の関係と割り切っているのだとしたら?そう思うと恐ろしくて告白など出来なかった。
由利が自分を捨てた時のことが何度も頭を過ぎった。だが常に頭の隅に警笛を聞きながらも墜ちていった想いは尚も深い。
もし、周に拒否をされたなら由利と別れた時の、その何百倍、何千倍ものダメージが襲ってきそうだった。それほどまでに、周という男は自分を支配している。
祝言さえ終わらなければいい。
単純で馬鹿みたいな考えが何度も去来し、気付いたときには襦袢姿のまま走り出していた。
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いつも、お読みいただき、ありがとうございます♪
そろそろ、終盤に近付いて参りました。
明日から祝言シーンなんですけど、巧く表現できるか・・・イエイエっ
さあ、もう一踏ん張りですわよ ! 皆様 !!(???)ひと踏ん張りするのは、私でしたね(テヘッ☆ウリャ!!
いつも、村ポチ&拍手ポチありがとうございます(ペコ)
続ける勇気を頂いています。感謝いたします。(ペコリッ)
この場を借りて御礼申し上げます (ペコリ・ペコリッ)

いつも、お読みいただき、ありがとうございます♪
そろそろ、終盤に近付いて参りました。
明日から祝言シーンなんですけど、巧く表現できるか・・・イエイエっ
さあ、もう一踏ん張りですわよ ! 皆様 !!(???)ひと踏ん張りするのは、私でしたね(テヘッ☆ウリャ!!
いつも、村ポチ&拍手ポチありがとうございます(ペコ)
続ける勇気を頂いています。感謝いたします。(ペコリッ)
この場を借りて御礼申し上げます (ペコリ・ペコリッ)

さて祝言ですが……
紙魚さんが、自分へのエールを書いているテキストがおかしくて笑ってしまった 笑
ひとりボケひとりツッコミ 笑
でも小説にこんなコメントをつけるのって、いいかも。
ときどきやってらっしゃる方がいますね。
それを読むと、あーみんな、うまくできるか、書けるか、不安だったりするのか、同じなんだあと考えたりします。