11 ,2008
翠滴 1-7 スコール 3 (21)
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自分の周(あまね)への興味を”発情”と位置づけられ、絶句した。
建築であれ、芸術であれ美しいものには いつも目がいってしまう。
ただ、周への視線には美しいものに向けられるもの以外の想いが含まれていたのは事実だ。否定しようのない事実を突きつけられ、享一は後退った。周は間合いを更に詰めて来る。背中に堂内の柱が当たり、長い腕に柱ごと捕らえられた。
「ふふ・・俺は享一のイヤらしい視線は大歓迎だけど?
どうせ、手に入れるつもりだし・・・コソコソ、チラ見ばっかしてないで、
もっとダイレクトにアピールしろよ」
耳元に唇をよせ耳朶を甘噛みしながら囁かれ、享一は感電したように咄嗟に身を捩りながら逃れようとした。その腕と顎を同時に捕らえられ 顔を上向きにロックされ緩く下ろした瞼の下の翠の瞳に見据えられる。少し顎を突き出し享一を見下ろす表情には周の表情の美徳であると思われる優しさや甘さの片鱗もない。
ただ、服従のみを強いて君臨しようとするものの貌があるのみだ。
「これから、オレのおヨメに相応しい躯になるよう、みっちりレクチャーして
やるから、覚悟しろよ」
「ヨメって・・何をレクチャーする気ですか」
頭が混乱し顔が引き攣る。演技の結婚にヨメに相応しい躯はいらないと思う。
弱々しい声で尋ねると、不意に 周の瞳が憂いを帯びて元の優しげで大人びた周の顔に戻り困惑顔で見詰めてきた。混乱を極めた享一は、その表情に救われる思いで縋りそうになるが、次の言葉で凍りついた。
「享一君、カマトトぶるのは止しましょう。夫婦生活にセックスはつきものでしょう?」
「!!!!」
もとの優しい口調に、凄い単語が入っていて血の気が引いた。というか腰が引いた。
周は本気だろうか?不意に夢でみた周の言葉が蘇る。
『享一、俺の子供を産めよ・・』
「・・・・・無理です、周さん。俺・・・子供産めませんし」
「・・・・・・プーーッ!」
やはりここは・・と、夢と同じ返事を返すと、頭上から大爆笑が降ってきた。
周は身を捩って笑い転げた。目に涙が滲んでいる。
享一は、自分の間抜けな返答に気付き 赤面して眉間に皺を寄せる。
そこまで笑わなくたって・・・いいんじゃないのか?
顔を顰めて呆然と立ちつくす享一の目の前で、笑っていた周の掌が優雅な動きで空を切ったかと思うと、気が付いた時には床に押し倒されていた。周は、馬鹿笑いこそ止めていたが、顔は愉しそうに笑った形のままだ。だが、目が全然笑ってはいない。
「享一、面白過ぎる!どえらく天然な奴に育っちゃったなあ。くくく・・・
まあ、オレは好きだけど、そんな所もね」
会ったことは無い・・はずだ。
周には一度見たら忘れられない碧眼という他には無い特徴がある。
そうだ、人違いだ、それでこんな目に遭っては堪らない。
「・・前に会ったことは無いと思いますけど? 兎に角、俺の上から
退いてくれませんか?」
享一を見下ろす周の瞳の色が変わる、先程の弾けるようなブリリアントグリーンは彩を潜め、代わりに深い情のようなものが静かに満ちて、虹彩に深い影を落とす。
「享一、あの時の続きをやろうぜ」 ・・・あの時?
「あの日も、真夏の雨が降っていたな。お前は、泣いてた・・・もしかしたら
俺はあの時から、享一に惚れてのたかもな」
あの時・・の事を思い出そうと考えていると、耳の下辺りを強く吸われて叫び声を上げた。
考え事に耽っている場合では無かった!
両足に力を入れ、身体を捩って両手を床につき渾身の力を込めて、周を身体に乗せたまま身体を浮かせた。素早く、身体をスライドさせ、抜けた!と思ったところで足を掬われ派手に床に転んだ。臥せの状態で押さえ込まれ右腕を後ろに回され締め上げられる。
「痛い!離せよ!」
「オレをどれだけ煽って、待たせて焦らせるつもりだ? 享一、お前酷くね?
なんなら、この腕外してから犯ってもいいけど、構わない?」
「そんなっ、いい訳な・・・・あっ!」
ギリギリ締め上げられて脂汗が浮き出てきた。苦痛で顔が歪み、全身が震える。角度を少し変えられるだけで、悲鳴が漏れた。あまりの痛みに涙が零れる。
惚れてたなんて、絶対に嘘だ。人違いだ・・・
「逃げない?」
一秒でも早く、開放されたかった。
だから必死で頷いた。
自分の周(あまね)への興味を”発情”と位置づけられ、絶句した。
建築であれ、芸術であれ美しいものには いつも目がいってしまう。
ただ、周への視線には美しいものに向けられるもの以外の想いが含まれていたのは事実だ。否定しようのない事実を突きつけられ、享一は後退った。周は間合いを更に詰めて来る。背中に堂内の柱が当たり、長い腕に柱ごと捕らえられた。
「ふふ・・俺は享一のイヤらしい視線は大歓迎だけど?
どうせ、手に入れるつもりだし・・・コソコソ、チラ見ばっかしてないで、
もっとダイレクトにアピールしろよ」
耳元に唇をよせ耳朶を甘噛みしながら囁かれ、享一は感電したように咄嗟に身を捩りながら逃れようとした。その腕と顎を同時に捕らえられ 顔を上向きにロックされ緩く下ろした瞼の下の翠の瞳に見据えられる。少し顎を突き出し享一を見下ろす表情には周の表情の美徳であると思われる優しさや甘さの片鱗もない。
ただ、服従のみを強いて君臨しようとするものの貌があるのみだ。
「これから、オレのおヨメに相応しい躯になるよう、みっちりレクチャーして
やるから、覚悟しろよ」
「ヨメって・・何をレクチャーする気ですか」
頭が混乱し顔が引き攣る。演技の結婚にヨメに相応しい躯はいらないと思う。
弱々しい声で尋ねると、不意に 周の瞳が憂いを帯びて元の優しげで大人びた周の顔に戻り困惑顔で見詰めてきた。混乱を極めた享一は、その表情に救われる思いで縋りそうになるが、次の言葉で凍りついた。
「享一君、カマトトぶるのは止しましょう。夫婦生活にセックスはつきものでしょう?」
「!!!!」
もとの優しい口調に、凄い単語が入っていて血の気が引いた。というか腰が引いた。
周は本気だろうか?不意に夢でみた周の言葉が蘇る。
「・・・・・無理です、周さん。俺・・・子供産めませんし」
「・・・・・・プーーッ!」
やはりここは・・と、夢と同じ返事を返すと、頭上から大爆笑が降ってきた。
周は身を捩って笑い転げた。目に涙が滲んでいる。
享一は、自分の間抜けな返答に気付き 赤面して眉間に皺を寄せる。
そこまで笑わなくたって・・・いいんじゃないのか?
顔を顰めて呆然と立ちつくす享一の目の前で、笑っていた周の掌が優雅な動きで空を切ったかと思うと、気が付いた時には床に押し倒されていた。周は、馬鹿笑いこそ止めていたが、顔は愉しそうに笑った形のままだ。だが、目が全然笑ってはいない。
「享一、面白過ぎる!どえらく天然な奴に育っちゃったなあ。くくく・・・
まあ、オレは好きだけど、そんな所もね」
会ったことは無い・・はずだ。
周には一度見たら忘れられない碧眼という他には無い特徴がある。
そうだ、人違いだ、それでこんな目に遭っては堪らない。
「・・前に会ったことは無いと思いますけど? 兎に角、俺の上から
退いてくれませんか?」
享一を見下ろす周の瞳の色が変わる、先程の弾けるようなブリリアントグリーンは彩を潜め、代わりに深い情のようなものが静かに満ちて、虹彩に深い影を落とす。
「享一、あの時の続きをやろうぜ」 ・・・あの時?
「あの日も、真夏の雨が降っていたな。お前は、泣いてた・・・もしかしたら
俺はあの時から、享一に惚れてのたかもな」
あの時・・の事を思い出そうと考えていると、耳の下辺りを強く吸われて叫び声を上げた。
考え事に耽っている場合では無かった!
両足に力を入れ、身体を捩って両手を床につき渾身の力を込めて、周を身体に乗せたまま身体を浮かせた。素早く、身体をスライドさせ、抜けた!と思ったところで足を掬われ派手に床に転んだ。臥せの状態で押さえ込まれ右腕を後ろに回され締め上げられる。
「痛い!離せよ!」
「オレをどれだけ煽って、待たせて焦らせるつもりだ? 享一、お前酷くね?
なんなら、この腕外してから犯ってもいいけど、構わない?」
「そんなっ、いい訳な・・・・あっ!」
ギリギリ締め上げられて脂汗が浮き出てきた。苦痛で顔が歪み、全身が震える。角度を少し変えられるだけで、悲鳴が漏れた。あまりの痛みに涙が零れる。
惚れてたなんて、絶対に嘘だ。人違いだ・・・
「逃げない?」
一秒でも早く、開放されたかった。
だから必死で頷いた。
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■■次話から更新時間が夕方に変わります。よろしくお願いします(ペコリ)
内容がね、、朝、更新するには、ちょっと・・・・勇気が要るかな~なんて。
いや、結局するんだけど・・モゴモゴ・・・鳴海の時は朝から胃が痛かったし・・
モゴモゴモゴ・・・修行が足りてないみたいです(ガクッ)

■■次話から更新時間が夕方に変わります。よろしくお願いします(ペコリ)
内容がね、、朝、更新するには、ちょっと・・・・勇気が要るかな~なんて。
いや、結局するんだけど・・モゴモゴ・・・鳴海の時は朝から胃が痛かったし・・
モゴモゴモゴ・・・修行が足りてないみたいです(ガクッ)

それにしても新周ったらすごい……
ここまで変わるか。
周いけーーーー!!!