10 ,2009
ラヴァーズ 6 (18禁)
■性的な表現がありますので、不快感を覚えられる方はご注意ください。
顎の下や項、腹、この3ヶ月で圭太に教えられた自分も知らなかったポイントに恐る恐る這わせてゆく。震える指先の触れる皮膚がチリチリと発火し、早鐘のように打ち鳴る心臓が、口から飛び出しそうになる。
他人に・・・それも、圭太に見られている。その事で全身が性感帯になったように感じ、指先から生まれるささやかな刺激に躰が弾け飛びそうなくらい極まっている。恥ずかしいと思う気持ちと、自分を見ている圭太にも感じて欲しいという相反する思いが自分の中で摩擦を起こして高温の熱を生む。
体温の上昇と共に、躰の下敷きになった薔薇の花弁から、より濃厚な匂いが立ち上ってきて、開ききった全身の毛穴から染み込み体内で別のものに変化する。
薔薇に眩惑されて、欲望も露に蜜を零す雄蕊に手を伸ばした。
「あっ・・・」
かたく張り詰めた茎に触れた時、堪らず声が洩れてしまった。ゆっくり擦り上げていくと自分の中の官能が高まり、もうひとつの秘所も甘く疼き出す。
不意に手を取られて掌にローションを垂らされた。
「いつもやってる通りにして見せて」
快感でぼやけた頭の耳許で暗示のように囁かれ、小さく頷き、軽く立てた腿の間にローションで濡れた手を潜り込ませた。閉じられた蕾をくじりトロリとした液体の滴る指をめり込ませてゆく。
「あ・・・ぁ、圭太さん・・」
圭太の名を口にした途端、体内に染み込んだ薔薇の香が弾けて躰の芯がズグズグと朽ちて甘く崩れ落ちてゆくのを感じた。静の躰から薔薇だけではない別の官能的な匂いが揺らめき立つ。美しく締まった全身が仰け反り、踵がシーツの表面を掻き滑ってはシーツに沈んだ。
「圭太さん、けい・・・たさ・・ん、ぁ・・あ・・・んぅ」
切なげに愛しい男(ひと)の名を叫び、薔薇の花弁を散らしながら壮絶な艶態を曝す。
圭太は、官能に全てを奪われ月光の下で色香を放ちながら艶やかに変化(へんげ)を遂た恋人の姿を食い入るように見つめながら自分も服を脱ぎ捨てていった。壊れたレコーダーのように自分の名を呼び続ける切なげな声に、自分まで全てを持っていかれそうになり隠微に淫蕩にまみれた熱い息を吐く。
「ああ、好き・・・好き、圭太さん来て・・・もっと・・・も・・・あぁ・・」
快感の過ぎた静の躰は、決定打を与えられない苦しみに撓り、緩く閉じた眦からは涙が零れ、開いた唇は呼吸の出来ない魚のように浅く速い息を繰り返している。
完全に理性を飛ばした静は、圭太が側にいるという現実からも抜け出して自分の中の圭太を想い、ひとり高みに上り詰め絶頂を極めようとしていた。自分を穿つ指で激しく自分を責め立て、痛々しいほどにエレクトした欲望をもう片方の手が濡れた音を立てながら扱き立てている。
その間も、うわ言のように圭太の名前を繰り返す。
これだけ自分を求めながら、ひとりでクライマックスを迎えようとしている静。
圭太は、自分がそそのかしておきながら苦い顔で笑うと静に被さっていった。
「いやあぁぁぁ・・・!」
突如、欲望を追って後孔を穿っていた指を強引に外され、体内で爆発的に高まった熱のやり場を失った静は前後不覚に陥り、わけもわからず叫んだ。硬直し仰け反る静の躰を圭太が捕らえ、一気に貫く。
艶にまみれた嬌声があがり、自分を穿つ痛みを伴う質量の変化で、静が我に返った。
「うっ・・・あ・・ぁ、圭太さん?・・!・・ああっ!!」
指の代わりに静を埋めた圭太を、熱い内壁が蠢きながら締め上げてくる。必死で圭太の背中にしがみつき、サーフィンで鍛えられた躰を撓らせ細い首を仰け反らせる。
何もかも愛おしい年下の恋人。
深く抉るようなストロークで大きく一突きすると、声にならない嬌声を上げて静は気を失った。
静の躰に汗で張り付いた真紅の花弁を取り去りその代わりに唇で印を付けてゆく。項に唇を寄せた時、小さく息を吐く気配がして静が息を吹き返した。
目の縁を朱に染めた鳶色の瞳が戸惑いを見せる。静のこういう顔を見ると、もっと苛めたくなってしまう。昔からの悪い癖だ。
「お前、ひとり寝の時いつもこんななのか?」
目の前の顔が、ブワッと耳まで朱くなるのを密かに楽しむ。
「俺は・・・・振り向いてくれるかどうかもわからない圭太さんを、何年も思い続けて
きたんです。俺のこと、清楚だとか言う人がいるけど、本当は全然違う。
俺は、長い間弟のようなふりをしながら、何百回、何千回もこうやって圭太さんと繋がる
ことを考えてた。それは今も変わらない・・俺は、俺の全部で圭太さんを愛したい」
計算も思惑も何もない。ただ真っ直ぐな瞳が、その浅い色味の中で月光を弾かせながら見詰めてきた。
「俺は・・・」その瞳が綺麗に生え揃った睫に縁取られた目蓋に緩く遮られる。
静の告白に、圭太の胸は歓喜に震える。
恋愛に関してそこそこの場数を踏み、それなりの経験も一通り以上こなしてきた自分には、これほど胸を震わせ、喜びに満たされる恋愛はもう出来ないだろうと思ってきた。
「圭太さん、俺のこと呆れましたか?」
圭太の顔を見上げる静の鳶色の瞳は密かに打ちひしがれている。
自分が醜態を曝したと思い、ひいてはそれを酷く後悔している顔だ。圭太は静の躰を抱き自分の膝の上に引き上げ向い合せに座らせた。
また少し傾いた月が静の顔を照らし出す。
「どうして、そう思う?ここまでシズカに強く求められて嬉しくない筈がないだろう。
色っぽい顔で俺の名前を呼びながら感じまくるお前は、すごく可愛くて綺麗だった。
今、改めて惚れ直しているところなのに」
圭太は静の左手を取ると自分の唇まで運んで接吻ける。
薬指に冷たく重みのあるものが嵌められる感触に鳶色の瞳が大きくなった。
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<関連作品>
深海魚 目次
『深海魚』1話から読む
『― 願 ―』
『翠滴2』 22話 シーラカンス

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顎の下や項、腹、この3ヶ月で圭太に教えられた自分も知らなかったポイントに恐る恐る這わせてゆく。震える指先の触れる皮膚がチリチリと発火し、早鐘のように打ち鳴る心臓が、口から飛び出しそうになる。
他人に・・・それも、圭太に見られている。その事で全身が性感帯になったように感じ、指先から生まれるささやかな刺激に躰が弾け飛びそうなくらい極まっている。恥ずかしいと思う気持ちと、自分を見ている圭太にも感じて欲しいという相反する思いが自分の中で摩擦を起こして高温の熱を生む。
体温の上昇と共に、躰の下敷きになった薔薇の花弁から、より濃厚な匂いが立ち上ってきて、開ききった全身の毛穴から染み込み体内で別のものに変化する。
薔薇に眩惑されて、欲望も露に蜜を零す雄蕊に手を伸ばした。
「あっ・・・」
かたく張り詰めた茎に触れた時、堪らず声が洩れてしまった。ゆっくり擦り上げていくと自分の中の官能が高まり、もうひとつの秘所も甘く疼き出す。
不意に手を取られて掌にローションを垂らされた。
「いつもやってる通りにして見せて」
快感でぼやけた頭の耳許で暗示のように囁かれ、小さく頷き、軽く立てた腿の間にローションで濡れた手を潜り込ませた。閉じられた蕾をくじりトロリとした液体の滴る指をめり込ませてゆく。
「あ・・・ぁ、圭太さん・・」
圭太の名を口にした途端、体内に染み込んだ薔薇の香が弾けて躰の芯がズグズグと朽ちて甘く崩れ落ちてゆくのを感じた。静の躰から薔薇だけではない別の官能的な匂いが揺らめき立つ。美しく締まった全身が仰け反り、踵がシーツの表面を掻き滑ってはシーツに沈んだ。
「圭太さん、けい・・・たさ・・ん、ぁ・・あ・・・んぅ」
切なげに愛しい男(ひと)の名を叫び、薔薇の花弁を散らしながら壮絶な艶態を曝す。
圭太は、官能に全てを奪われ月光の下で色香を放ちながら艶やかに変化(へんげ)を遂た恋人の姿を食い入るように見つめながら自分も服を脱ぎ捨てていった。壊れたレコーダーのように自分の名を呼び続ける切なげな声に、自分まで全てを持っていかれそうになり隠微に淫蕩にまみれた熱い息を吐く。
「ああ、好き・・・好き、圭太さん来て・・・もっと・・・も・・・あぁ・・」
快感の過ぎた静の躰は、決定打を与えられない苦しみに撓り、緩く閉じた眦からは涙が零れ、開いた唇は呼吸の出来ない魚のように浅く速い息を繰り返している。
完全に理性を飛ばした静は、圭太が側にいるという現実からも抜け出して自分の中の圭太を想い、ひとり高みに上り詰め絶頂を極めようとしていた。自分を穿つ指で激しく自分を責め立て、痛々しいほどにエレクトした欲望をもう片方の手が濡れた音を立てながら扱き立てている。
その間も、うわ言のように圭太の名前を繰り返す。
これだけ自分を求めながら、ひとりでクライマックスを迎えようとしている静。
圭太は、自分がそそのかしておきながら苦い顔で笑うと静に被さっていった。
「いやあぁぁぁ・・・!」
突如、欲望を追って後孔を穿っていた指を強引に外され、体内で爆発的に高まった熱のやり場を失った静は前後不覚に陥り、わけもわからず叫んだ。硬直し仰け反る静の躰を圭太が捕らえ、一気に貫く。
艶にまみれた嬌声があがり、自分を穿つ痛みを伴う質量の変化で、静が我に返った。
「うっ・・・あ・・ぁ、圭太さん?・・!・・ああっ!!」
指の代わりに静を埋めた圭太を、熱い内壁が蠢きながら締め上げてくる。必死で圭太の背中にしがみつき、サーフィンで鍛えられた躰を撓らせ細い首を仰け反らせる。
何もかも愛おしい年下の恋人。
深く抉るようなストロークで大きく一突きすると、声にならない嬌声を上げて静は気を失った。
静の躰に汗で張り付いた真紅の花弁を取り去りその代わりに唇で印を付けてゆく。項に唇を寄せた時、小さく息を吐く気配がして静が息を吹き返した。
目の縁を朱に染めた鳶色の瞳が戸惑いを見せる。静のこういう顔を見ると、もっと苛めたくなってしまう。昔からの悪い癖だ。
「お前、ひとり寝の時いつもこんななのか?」
目の前の顔が、ブワッと耳まで朱くなるのを密かに楽しむ。
「俺は・・・・振り向いてくれるかどうかもわからない圭太さんを、何年も思い続けて
きたんです。俺のこと、清楚だとか言う人がいるけど、本当は全然違う。
俺は、長い間弟のようなふりをしながら、何百回、何千回もこうやって圭太さんと繋がる
ことを考えてた。それは今も変わらない・・俺は、俺の全部で圭太さんを愛したい」
計算も思惑も何もない。ただ真っ直ぐな瞳が、その浅い色味の中で月光を弾かせながら見詰めてきた。
「俺は・・・」その瞳が綺麗に生え揃った睫に縁取られた目蓋に緩く遮られる。
静の告白に、圭太の胸は歓喜に震える。
恋愛に関してそこそこの場数を踏み、それなりの経験も一通り以上こなしてきた自分には、これほど胸を震わせ、喜びに満たされる恋愛はもう出来ないだろうと思ってきた。
「圭太さん、俺のこと呆れましたか?」
圭太の顔を見上げる静の鳶色の瞳は密かに打ちひしがれている。
自分が醜態を曝したと思い、ひいてはそれを酷く後悔している顔だ。圭太は静の躰を抱き自分の膝の上に引き上げ向い合せに座らせた。
また少し傾いた月が静の顔を照らし出す。
「どうして、そう思う?ここまでシズカに強く求められて嬉しくない筈がないだろう。
色っぽい顔で俺の名前を呼びながら感じまくるお前は、すごく可愛くて綺麗だった。
今、改めて惚れ直しているところなのに」
圭太は静の左手を取ると自分の唇まで運んで接吻ける。
薬指に冷たく重みのあるものが嵌められる感触に鳶色の瞳が大きくなった。
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□□最後までお読みいただき、ありがとうございます(*^_^*)ペコリ
普段はタイトルに18禁表示は入れないんですが、今回は入れてみました。
何を今更の18禁サイトなので、時間が経ったら外します。。
じゃあ、何故入れるのかと申しますと、私自身が動揺しているからです(笑)
いえ、きっと読む分にはそんな大したことはない内容だと思うのですが、自分的にはなかなか
初ひとり○○シーンが難しくて、本文の半分くらいのえち文を書き捨てました(おバカですね(泣
それと、更新時間なのですが、現在本当に不定期更新になってしまっていて
意味が無いようにも思えますので、当分の間、更新時間も不定でいかせて頂こうかと思います。
どうぞ、みなさまの時間の空いた時、気の向いた時にちょこっと覗いて頂けましたら嬉しいです。
紙魚
拍手ポチ、コメント、村ポチと・・本当に、いつもありがとうございます。
ほんの拙文しか書けない私ですがですが、書いていく励みになります。。
ブログ拍手コメントのお返事は、サイトの”もんもんもん”の
ブログ拍手コメ・メールのお返事からか、もしくは*こちら*から
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何を今更の18禁サイトなので、時間が経ったら外します。。
じゃあ、何故入れるのかと申しますと、私自身が動揺しているからです(笑)
いえ、きっと読む分にはそんな大したことはない内容だと思うのですが、自分的にはなかなか
初ひとり○○シーンが難しくて、本文の半分くらいのえち文を書き捨てました(おバカですね(泣
それと、更新時間なのですが、現在本当に不定期更新になってしまっていて
意味が無いようにも思えますので、当分の間、更新時間も不定でいかせて頂こうかと思います。
どうぞ、みなさまの時間の空いた時、気の向いた時にちょこっと覗いて頂けましたら嬉しいです。
紙魚
拍手ポチ、コメント、村ポチと・・本当に、いつもありがとうございます。
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よそ様で数日間、鼻血噴出させて輸血処置してもらってたのに、また大出血ですよ・・・。
静さん・・・。いつも(爆)こんな風に過ごしてたのね・・・。
見られるってシチュエーション、萌えますね。
>圭太は静の左手を取ると自分の唇まで運んで接吻けた。
薬指に冷たく重みのあるものが嵌められる感触に鳶色の瞳が大きくなった。
もう、圭太さんの静ごろしっっ!
掟破りのロマンチックさじゃないですか!こんな風にされたらもう、絶対泣いちゃうよ(感涙) 究極の飴ちゃんですね。