04 ,2009
深海魚 28
■18Rです。苦手な方は閲覧にご注意ください。
「何か、食べるか?」
「・・・・・」
「食えそうなら、消化のよさそうなものを冷蔵庫の中から見繕って来てやる」
「圭太さん!」
静の上からどこうとした圭太に伸ばした手が、そのまま力強い掌に捕えられた。その手を固く張り詰めたものに誘導され、布越しの起立に指先が触れると、静の顔が急激に上り詰めた血潮にさっと染まる。
「悪い、こういう訳だ。これ以上続けたら‥‥止められなくなる」
圭太の劣情を知り、信じられない思いで見上げた。嬉しさと失望が綯交ぜになる。
「・・それでも・・・・」
「駄目だ、シズカ。お前に同性間でのSEXに嫌悪を持ってほしくない」
やはり汚れた躯には・・・触れてはもらえないのだろうか・・・放された手がシーツの上に音を立てて落ちた。頭上で溜息がして、圭太の顔が覗き込んで来た。
「また、勝手な勘違いをするなよ、シズカ。いま、お前の躯が俺を受け止めたらお前の躯は間違いなく壊れてしまう」
圭太の指先が、上半身を起こした静の、鎖骨の上に薄く残る鬱血痕に触れた。圭太の静には大きいパジャマの襟元を指先で押し広げながら首の付け根や肩口項へと辿ってゆく。それだけで、熱を絡ませた吐息が零れそうになる。静には見えないが、肌に残る伊原の形跡を辿っているに違いない。静の心が、圭太に触れさせる前に躯を汚してしまった事に対する申し訳なさで一杯になる。
痕跡を辿り、半ば伏せられていた圭太の瞳が真っ直ぐ静を見た。
不意に向けられた圭太の瞳の強さに胸がドクンと跳ね上がった。眼差しだけで自分を凌駕し、組み伏せる。圭太は、こんな恐い眼をしていただろうか?
瞬く事も忘れた鳶色の瞳を見つめる強い光を放つ双眸は、益々静を虜にし、その眼前に全てを投げ出させてしまう魔力を持つ。恋するものだけに向けられる特別な視線。見詰られるだけで心臓が高鳴り、肉食獣に睨まれた小動物のように動けなくなってしまう。圭太のこんな眼を、自分は今まで知らなかった・・・
「シズカ、男は伊原が初めてだったんだろう・・・・初めてでこんなになるまで・・」
一旦言葉を切ると、圭太は襟を摘み元に戻して薄くなった痣を隠した。
「シズカの身体と心の傷が癒えてから、まだ抱かれたいと思うかどうか、ゆっくり考えればいい。俺は、シズカの考えを尊重するつもりだから」
今度こそ、立ち去ろうとベッドを降りた圭太を追いかけようとしてベッドから崩れ落ちた。シーツが絡まり、全身が床に落ちる前に長い腕に抱きとめられシーツの上に戻される。
「大丈夫か?あんまり無理するな。もう少し、休んだ方がいい」
心配げな顔が、安心させるように少し微笑む。静は、指先に力を込め、離れてゆく圭太の腕を掴んだ。静の泣きそうな必死の形相に圭太の動きが止る。
今だからこそ、抱いて欲しいと思う。このまま時間が経てば、朧に残る伊原との行為や肌に残る感触が具象化して、このまま自分の中に巣食ってしまいそうで恐ろしかった。まだ形を成さない朧なうちに、圭太に上書きして消し去ってもらいたい・・・これは、自分勝手な我侭だとしても・・・自分の正直な気持ちを圭太に伝えていきたい。
「いまだからこそ、なんだ・・・・・圭太さん、こんな痣の残った躯を抱くのは嫌ですか?」
唇が落とされた。
「嫌なはずがない。俺の気持ちはさっきのでわかっているはずだ。
でも、無理もさせたくない。病み上がりで我侭言うなよ、俺の我慢も考えろ」
「俺は、いま抱かれたい。圭太さん、抱いてください・・・・」
盛大な溜息を一つ吐き、圭太は眼を細めてニッと笑った。
静の上で四つん這いになり、上目遣いで紛れもない欲情を露にした圭太が艶っぽく嗤うと、あまりに蠱惑的なその姿に頭の中の思考が飛び散り未知の興奮が躯の芯から生まれてくる。
「優しくは出来ないかもしれない。俺はお前が思ってるほどデキた大人じゃないからな・・・こんなもん付けてきたお前を許せないかもよ?」
「あっ・・・」
つうと項から鎖骨、鳩尾へと圭太の指先が薄い生地越しに滑り下り、勃ち上がり掛けた下腹部を布越しに握り込んできた。更に、掌の中で静が反応するのを確かめると、圭太が強烈に色香を放つ流し目を静の朱に染まった顔に向けてきた。
「それでも、良ければ ・・・・しよう」
静は上手く声が出せず、瞳で頷く。喉の奥で嗤い圭太が項に顔を埋めてきた。
柔らかい皮膚を舌が這い、きつく吸われる痛みにすら眩暈を覚えて瞳を閉じる。
「オリーブオイルと、一年前の残り物のローション、どっちがいい?」
一瞬、何を言われたのかわからなかったが、一年前と言われ享一の顔が頭を過ぎり、からかわれた事に気が付いた。圭太は、昔から時々自分に向けて罪のない意地悪を仕掛けてきた。問われたものの用途を考えると忽ち頬や目じりに朱が注す。
「・・・・オイルで・・」
圭太は、オイルの瓶と共にミネラルのペットボトルを持ってきた。一口飲み込むと自分の喉がからからに渇いていた事に気が付く。一気に飲み干し息を吐くと、冷たい水が身体の隅々にまでいきわたるのを感じ、ぼんやり空になったボトルを見詰た。雪山の絵の着いたラベルのまかれたペットボトルの中の雫が陽光を浴びてキラキラ光っている。この雫も、天井から陽の光が注ぐこの圭太のセカンドハウスも、なんとなく夢の延長にあるような気がして不思議な気持ちで手の中のボトルを見詰た。
放心する静の指の間からボトルを取り上げ、圭太がミネラルで濡れた唇にキスをする。何もかもが夢のようなのに、冷たい水でクールダウンした躯にあっという間に熱がともる。
大きな天窓から注ぐ四角い光の中で、広げた両腕を圭太の長い腕に張り付けられた。
←前話 次話→
深海魚 1 から読む
■静×圭太 関連<SS> ― 願い ―
■河村 圭太 関連作 翠滴 2
「何か、食べるか?」
「・・・・・」
「食えそうなら、消化のよさそうなものを冷蔵庫の中から見繕って来てやる」
「圭太さん!」
静の上からどこうとした圭太に伸ばした手が、そのまま力強い掌に捕えられた。その手を固く張り詰めたものに誘導され、布越しの起立に指先が触れると、静の顔が急激に上り詰めた血潮にさっと染まる。
「悪い、こういう訳だ。これ以上続けたら‥‥止められなくなる」
圭太の劣情を知り、信じられない思いで見上げた。嬉しさと失望が綯交ぜになる。
「・・それでも・・・・」
「駄目だ、シズカ。お前に同性間でのSEXに嫌悪を持ってほしくない」
やはり汚れた躯には・・・触れてはもらえないのだろうか・・・放された手がシーツの上に音を立てて落ちた。頭上で溜息がして、圭太の顔が覗き込んで来た。
「また、勝手な勘違いをするなよ、シズカ。いま、お前の躯が俺を受け止めたらお前の躯は間違いなく壊れてしまう」
圭太の指先が、上半身を起こした静の、鎖骨の上に薄く残る鬱血痕に触れた。圭太の静には大きいパジャマの襟元を指先で押し広げながら首の付け根や肩口項へと辿ってゆく。それだけで、熱を絡ませた吐息が零れそうになる。静には見えないが、肌に残る伊原の形跡を辿っているに違いない。静の心が、圭太に触れさせる前に躯を汚してしまった事に対する申し訳なさで一杯になる。
痕跡を辿り、半ば伏せられていた圭太の瞳が真っ直ぐ静を見た。
不意に向けられた圭太の瞳の強さに胸がドクンと跳ね上がった。眼差しだけで自分を凌駕し、組み伏せる。圭太は、こんな恐い眼をしていただろうか?
瞬く事も忘れた鳶色の瞳を見つめる強い光を放つ双眸は、益々静を虜にし、その眼前に全てを投げ出させてしまう魔力を持つ。恋するものだけに向けられる特別な視線。見詰られるだけで心臓が高鳴り、肉食獣に睨まれた小動物のように動けなくなってしまう。圭太のこんな眼を、自分は今まで知らなかった・・・
「シズカ、男は伊原が初めてだったんだろう・・・・初めてでこんなになるまで・・」
一旦言葉を切ると、圭太は襟を摘み元に戻して薄くなった痣を隠した。
「シズカの身体と心の傷が癒えてから、まだ抱かれたいと思うかどうか、ゆっくり考えればいい。俺は、シズカの考えを尊重するつもりだから」
今度こそ、立ち去ろうとベッドを降りた圭太を追いかけようとしてベッドから崩れ落ちた。シーツが絡まり、全身が床に落ちる前に長い腕に抱きとめられシーツの上に戻される。
「大丈夫か?あんまり無理するな。もう少し、休んだ方がいい」
心配げな顔が、安心させるように少し微笑む。静は、指先に力を込め、離れてゆく圭太の腕を掴んだ。静の泣きそうな必死の形相に圭太の動きが止る。
今だからこそ、抱いて欲しいと思う。このまま時間が経てば、朧に残る伊原との行為や肌に残る感触が具象化して、このまま自分の中に巣食ってしまいそうで恐ろしかった。まだ形を成さない朧なうちに、圭太に上書きして消し去ってもらいたい・・・これは、自分勝手な我侭だとしても・・・自分の正直な気持ちを圭太に伝えていきたい。
「いまだからこそ、なんだ・・・・・圭太さん、こんな痣の残った躯を抱くのは嫌ですか?」
唇が落とされた。
「嫌なはずがない。俺の気持ちはさっきのでわかっているはずだ。
でも、無理もさせたくない。病み上がりで我侭言うなよ、俺の我慢も考えろ」
「俺は、いま抱かれたい。圭太さん、抱いてください・・・・」
盛大な溜息を一つ吐き、圭太は眼を細めてニッと笑った。
静の上で四つん這いになり、上目遣いで紛れもない欲情を露にした圭太が艶っぽく嗤うと、あまりに蠱惑的なその姿に頭の中の思考が飛び散り未知の興奮が躯の芯から生まれてくる。
「優しくは出来ないかもしれない。俺はお前が思ってるほどデキた大人じゃないからな・・・こんなもん付けてきたお前を許せないかもよ?」
「あっ・・・」
つうと項から鎖骨、鳩尾へと圭太の指先が薄い生地越しに滑り下り、勃ち上がり掛けた下腹部を布越しに握り込んできた。更に、掌の中で静が反応するのを確かめると、圭太が強烈に色香を放つ流し目を静の朱に染まった顔に向けてきた。
「それでも、良ければ ・・・・しよう」
静は上手く声が出せず、瞳で頷く。喉の奥で嗤い圭太が項に顔を埋めてきた。
柔らかい皮膚を舌が這い、きつく吸われる痛みにすら眩暈を覚えて瞳を閉じる。
「オリーブオイルと、一年前の残り物のローション、どっちがいい?」
一瞬、何を言われたのかわからなかったが、一年前と言われ享一の顔が頭を過ぎり、からかわれた事に気が付いた。圭太は、昔から時々自分に向けて罪のない意地悪を仕掛けてきた。問われたものの用途を考えると忽ち頬や目じりに朱が注す。
「・・・・オイルで・・」
圭太は、オイルの瓶と共にミネラルのペットボトルを持ってきた。一口飲み込むと自分の喉がからからに渇いていた事に気が付く。一気に飲み干し息を吐くと、冷たい水が身体の隅々にまでいきわたるのを感じ、ぼんやり空になったボトルを見詰た。雪山の絵の着いたラベルのまかれたペットボトルの中の雫が陽光を浴びてキラキラ光っている。この雫も、天井から陽の光が注ぐこの圭太のセカンドハウスも、なんとなく夢の延長にあるような気がして不思議な気持ちで手の中のボトルを見詰た。
放心する静の指の間からボトルを取り上げ、圭太がミネラルで濡れた唇にキスをする。何もかもが夢のようなのに、冷たい水でクールダウンした躯にあっという間に熱がともる。
大きな天窓から注ぐ四角い光の中で、広げた両腕を圭太の長い腕に張り付けられた。
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■静×圭太 関連<SS> ― 願い ―
■河村 圭太 関連作 翠滴 2
□□最後までお読みいただき、ありがとうございます(*^_^*)ペコリ
すみません。投石は禁止です。進めませんでした。
本当に、次の連載が決まるまで、延々続けていたら、どうしましょう~。
エロは、なるべく一記事以内にというのが、私の信条なのですけど、
最近ガンガン崩れつつあります。
あ・・・でも、まだえろには至っていないですよね。ね。15Rぐらい?
次話では、眼にも留まらぬ速度で進展し終わらせる・・・・今の私の小さな野望でございます。
数話前に、あと2~3話で終わりますと、私から大法螺を吹かれた皆様、申し訳ありませんm(_ _)m
ブログ拍手コメントのお返事は、サイトの”もんもんもん”の
ブログ拍手コメ・メールのお返事からか、もしくは*こちら*から

↑
続き書いてもいいよ~♪
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すみません。投石は禁止です。進めませんでした。
本当に、次の連載が決まるまで、延々続けていたら、どうしましょう~。
エロは、なるべく一記事以内にというのが、私の信条なのですけど、
最近ガンガン崩れつつあります。
あ・・・でも、まだえろには至っていないですよね。ね。15Rぐらい?
次話では、眼にも留まらぬ速度で進展し終わらせる・・・・今の私の小さな野望でございます。
数話前に、あと2~3話で終わりますと、私から大法螺を吹かれた皆様、申し訳ありませんm(_ _)m
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もう~~格好良すぎます~~照れ照れ
いやん~~クネクネしちゃう!!!
色っぽすぎますって!!きゃーー!!!
しーちゃんも頑張って誘いましたねぇ( ´艸`)ムププ♪
そうよね、そうよね。
今だからこそよね!ウン゚.+:。(*-ω-)(-ω-*)゚.+:。ウン
イヨイヨ明日は愛を確かめ合うのですね♪
楽しみーーー!!!!
昨日にも増して「!」が多くてすみませんww
かなり興奮MAX状態です(爆)