04 ,2009
深海魚 20
■20Rです。露骨な表現がありますので、二十歳以下の方は閲覧をご遠慮ください。
精を放った躯は、もう次の熱い波に飲み込まれている。
薄い意識の中で、その波が自分を忘我の果てへと連れ去るのを感じた。
外的な要素だけではない。ドラッグは、恋慕う唯のひとへの、自分の手に負えないほどに育ってしまった歪で卑しい欲望を引き摺り出したに過ぎない。
伊原の背に爪を立てた指先から、伊原に付けられた鬱血痕から。内外の淫靡な要因が絡まり合い溶け合い、何もかもを熱く波打つ情欲の膿となって隙間なく自分を包み、締め上げながら纏わり付いてくるのを感じた。
どろりとした重く熱い膿は、朽ちかけの花から漂うあの濃厚で甘い腐臭を放ちながら、皮膚の毛穴から浸透し、触れた所から爛れる。苦しくて我慢し切れなくなり、開けた口から入り込んだ熱は臓腑をも爛れさせ、内側も穢れた躯をただの淫欲に塗(まみ)れた肉塊へと変えてゆく。
「シズカ、僕のものになれよ。河村君は、決して君のものにはならない。
僕は君を大切にする。今夜からは、この躯を僕だけを待ちわびる身体にしたい。いいだろう?」
この身体が違うものになる。生まれ変わる?何に?自分ではない何かなら、なんでもいい。
この言葉は不思議な引力を持って静を惹き付ける。
圭太を想う事すら許されないのなら、もう何も要らないのかもしれない。
あの神聖な場所で、穢れたこの手がシェイカーを振るのは、きっと自分が耐えられない。
目隠しをされた頭が微かに頷いた。
自分を苛む淫靡な波に翻弄され、頬や唇を血色に染め紅い唇の端からは、透明の唾液が零れ糸を引いてシーツに落ちてゆく。薬の特効でも構わなかった。小さく頷く静の従順な姿に、伊原の征服欲が満たされる。三本に増やした指を引き抜くと、静は切なげな甘い声を上げた。
正気を失い淫らな傀儡と化した静に、伊原は満足げに嗤った。
膝裏を掬い、躯を折り曲げ全てを曝すと静の吐息が興奮に荒くなる。
「随分と待たせたね、僕の可愛い人。僕も、もう限界だ。さあ、僕を『君』の中に入れてくれ」
伊原は、苦痛を覚えるほど猛った自分自身を、進入を拒むこともなくなった静の秘所にあてがい一気に奥まで衝き入った。
静の濡れた唇から嬌声が迸る。
ポイントを狙いながら抽挿を繰り返す。絶頂を極めようと張り詰め大量に蜜を零し続ける静の性器を、完璧に磨かれた伊原の爪がなぞると、静は気も狂わんばかりに頭を振り、声にならない叫びを上げた。伊原の指を止めようと伸ばされた手を払い、更に激しく打ち付ける。絶頂を迎え躯中が硬直し反り返ったその時、伊原の力強い手指が今にも開放しようと熱く震える怒張の根元を握り締めた。
苦しげにヒクつく先端の亀裂から零れる蜜に白い濁りが混ざりだす。
「!!ぃ・・・ヤッ!、放し・・・・イヤァァーーッ」
苦しい痛みを伴う快感に堪え切れなくなった躯が痙攣を始めた。
空を掻く静の足の指が現状に堪え踏み止まろうと広がる。
「はっ・・・・凄く、気持ちイイ。想像していた以上だ。可愛い・・・シズカ」
「あぅっ、ハッ・・・ハ、ぁあ・・・ぅ」
薄い皮膚の下で暴れる熱に神経が焼き切れ、逃げ場を求めて噴出した甘い匂いのする汗が、朱に染まった躯を滑らせる。眉根を寄せ苦悶に堪える額には、汗がまあるい水晶の粒となって噴出し、やがて形を崩して、こめかみを流れ落ちた。
「出したいなら、もう一度ちゃんと約束して。僕を愛するって、ほら」
「ア・・・ァ、タ・・・・・テ」
喘ぎとなって洩れる声は言葉にはならなかったが、伊原は言葉を欲しがった。
「答えて、シズカ」
「・・スケ・・・・て、ケイ・・タさ・・・ん」
助けて、圭太さん。
荒い刃物で削り出したような伊原の野性味を帯びた顔が、嫉妬で紅黒く染まる。血走った双眸を吊り上げ、乱暴に静の目隠しを毟り取った。焦点の合わない鳶色の瞳が伊原を見ることはない。
「僕は誰だ!?僕を見ろ、セイッ!!」
肩口を掴み乱暴に押さえつけると、静は声も発せず、窮まった躯を仰け反らせ乾いた絶頂を迎えた。
潤んだ鳶色は宙を見詰め、眦から零れた滴がきめ細かい皮膚に線を描く。
意識を閉ざし、放心した静を伊原は冷酷な表情で見下ろした。
圭太への嫉妬が怨恨へと変わっていく。
「君を、河村には渡さないよ、静。君は僕の傍にいて、僕だけを待ちわびる僕の”オンナ”になるんだ」
伊原は再びローションのボトルを手に取ると、箱の中に一緒に入れてあったカプセルを割りとろみのある液体の中に溶かし込んだ。静から自身を抜き、血液を滲ませながらひくつく後孔に直接注ぎ込む。
「うっ、く。あ、ぅ・・・・・ん」
反応を見せなかった静がやがてゆるりと顎を仰け反らせ、朱に染めた瞼を震わせはじめた。
息の上がった唇は掠れた喘ぎを洩らしながら唾液で妖しく濡れ、鳶色の瞳は欲情に蕩けきる。
半開きの唇は口角が笑っているように上がり、淫蕩を零す隙間には真珠のような歯列が覗く。
もうどこにも羞恥の色も、苦悶も怯えもない。
暗い炎を宿した瞳で嗤う伊原は、静の両足首を掴むと脚を割り広げ、高々と持ち上げた。
「可愛いね、シズカ。まだまだこれからだ。思う存分、僕を味わうといい」
←前話 次話→
深海魚 1 から読む
■静×圭太 関連<SS> ― 願い ―
■河村 圭太 関連作 翠滴 2
精を放った躯は、もう次の熱い波に飲み込まれている。
薄い意識の中で、その波が自分を忘我の果てへと連れ去るのを感じた。
外的な要素だけではない。ドラッグは、恋慕う唯のひとへの、自分の手に負えないほどに育ってしまった歪で卑しい欲望を引き摺り出したに過ぎない。
伊原の背に爪を立てた指先から、伊原に付けられた鬱血痕から。内外の淫靡な要因が絡まり合い溶け合い、何もかもを熱く波打つ情欲の膿となって隙間なく自分を包み、締め上げながら纏わり付いてくるのを感じた。
どろりとした重く熱い膿は、朽ちかけの花から漂うあの濃厚で甘い腐臭を放ちながら、皮膚の毛穴から浸透し、触れた所から爛れる。苦しくて我慢し切れなくなり、開けた口から入り込んだ熱は臓腑をも爛れさせ、内側も穢れた躯をただの淫欲に塗(まみ)れた肉塊へと変えてゆく。
「シズカ、僕のものになれよ。河村君は、決して君のものにはならない。
僕は君を大切にする。今夜からは、この躯を僕だけを待ちわびる身体にしたい。いいだろう?」
この身体が違うものになる。生まれ変わる?何に?自分ではない何かなら、なんでもいい。
この言葉は不思議な引力を持って静を惹き付ける。
圭太を想う事すら許されないのなら、もう何も要らないのかもしれない。
あの神聖な場所で、穢れたこの手がシェイカーを振るのは、きっと自分が耐えられない。
目隠しをされた頭が微かに頷いた。
自分を苛む淫靡な波に翻弄され、頬や唇を血色に染め紅い唇の端からは、透明の唾液が零れ糸を引いてシーツに落ちてゆく。薬の特効でも構わなかった。小さく頷く静の従順な姿に、伊原の征服欲が満たされる。三本に増やした指を引き抜くと、静は切なげな甘い声を上げた。
正気を失い淫らな傀儡と化した静に、伊原は満足げに嗤った。
膝裏を掬い、躯を折り曲げ全てを曝すと静の吐息が興奮に荒くなる。
「随分と待たせたね、僕の可愛い人。僕も、もう限界だ。さあ、僕を『君』の中に入れてくれ」
伊原は、苦痛を覚えるほど猛った自分自身を、進入を拒むこともなくなった静の秘所にあてがい一気に奥まで衝き入った。
静の濡れた唇から嬌声が迸る。
ポイントを狙いながら抽挿を繰り返す。絶頂を極めようと張り詰め大量に蜜を零し続ける静の性器を、完璧に磨かれた伊原の爪がなぞると、静は気も狂わんばかりに頭を振り、声にならない叫びを上げた。伊原の指を止めようと伸ばされた手を払い、更に激しく打ち付ける。絶頂を迎え躯中が硬直し反り返ったその時、伊原の力強い手指が今にも開放しようと熱く震える怒張の根元を握り締めた。
苦しげにヒクつく先端の亀裂から零れる蜜に白い濁りが混ざりだす。
「!!ぃ・・・ヤッ!、放し・・・・イヤァァーーッ」
苦しい痛みを伴う快感に堪え切れなくなった躯が痙攣を始めた。
空を掻く静の足の指が現状に堪え踏み止まろうと広がる。
「はっ・・・・凄く、気持ちイイ。想像していた以上だ。可愛い・・・シズカ」
「あぅっ、ハッ・・・ハ、ぁあ・・・ぅ」
薄い皮膚の下で暴れる熱に神経が焼き切れ、逃げ場を求めて噴出した甘い匂いのする汗が、朱に染まった躯を滑らせる。眉根を寄せ苦悶に堪える額には、汗がまあるい水晶の粒となって噴出し、やがて形を崩して、こめかみを流れ落ちた。
「出したいなら、もう一度ちゃんと約束して。僕を愛するって、ほら」
「ア・・・ァ、タ・・・・・テ」
喘ぎとなって洩れる声は言葉にはならなかったが、伊原は言葉を欲しがった。
「答えて、シズカ」
「・・スケ・・・・て、ケイ・・タさ・・・ん」
荒い刃物で削り出したような伊原の野性味を帯びた顔が、嫉妬で紅黒く染まる。血走った双眸を吊り上げ、乱暴に静の目隠しを毟り取った。焦点の合わない鳶色の瞳が伊原を見ることはない。
「僕は誰だ!?僕を見ろ、セイッ!!」
肩口を掴み乱暴に押さえつけると、静は声も発せず、窮まった躯を仰け反らせ乾いた絶頂を迎えた。
潤んだ鳶色は宙を見詰め、眦から零れた滴がきめ細かい皮膚に線を描く。
意識を閉ざし、放心した静を伊原は冷酷な表情で見下ろした。
圭太への嫉妬が怨恨へと変わっていく。
「君を、河村には渡さないよ、静。君は僕の傍にいて、僕だけを待ちわびる僕の”オンナ”になるんだ」
伊原は再びローションのボトルを手に取ると、箱の中に一緒に入れてあったカプセルを割りとろみのある液体の中に溶かし込んだ。静から自身を抜き、血液を滲ませながらひくつく後孔に直接注ぎ込む。
「うっ、く。あ、ぅ・・・・・ん」
反応を見せなかった静がやがてゆるりと顎を仰け反らせ、朱に染めた瞼を震わせはじめた。
息の上がった唇は掠れた喘ぎを洩らしながら唾液で妖しく濡れ、鳶色の瞳は欲情に蕩けきる。
半開きの唇は口角が笑っているように上がり、淫蕩を零す隙間には真珠のような歯列が覗く。
もうどこにも羞恥の色も、苦悶も怯えもない。
暗い炎を宿した瞳で嗤う伊原は、静の両足首を掴むと脚を割り広げ、高々と持ち上げた。
「可愛いね、シズカ。まだまだこれからだ。思う存分、僕を味わうといい」
←前話 次話→
深海魚 1 から読む
■静×圭太 関連<SS> ― 願い ―
■河村 圭太 関連作 翠滴 2
□□最後までお読みいただき、ありがとうございます(*^_^*)ペコリ
みなさま、こんばんは(ペコリ
週末にこんなスッキリしないものをUPして・・・・m(_ _)mペコペコペコ・・・
いつも、ポチポチと拙文を応援くださる皆様、本当にありがとうございます!
感謝の言葉を尽くしても足りないくらいでございます。
ア、この記事を読んで、どうか、通うのをやめないで下さいね。
ブログ拍手コメントのお返事は、サイトの”もんもんもん”の
ブログ拍手コメ・メールのお返事からか、もしくは*こちら*から

↑
まだ、読んでやってもいいぞと思われたら、
ポチ下さいませ。
↓
みなさま、こんばんは(ペコリ
週末にこんなスッキリしないものをUPして・・・・m(_ _)mペコペコペコ・・・
いつも、ポチポチと拙文を応援くださる皆様、本当にありがとうございます!
感謝の言葉を尽くしても足りないくらいでございます。
ア、この記事を読んで、どうか、通うのをやめないで下さいね。
ブログ拍手コメントのお返事は、サイトの”もんもんもん”の
ブログ拍手コメ・メールのお返事からか、もしくは*こちら*から

↑
まだ、読んでやってもいいぞと思われたら、
ポチ下さいませ。
↓
でも、鬼畜(というより鬼?)伊原氏…すげーと感動すら覚えてしまった柚子季です。
歪みまくった屈折した情ではあるけれど、伊原氏なりにしーちゃんを求めている感が伝わって来ます…。
やり方は間違え過ぎですが(´∀`;)
正気を取り戻した時のしーちゃんが、早く見たいような見るのが怖いような…。
狂っちゃいそうですよね、というより、病んでしまいそう…でもそこからが圭太の出番かしら?
う~~~続きが、続きが欲しいです~~!!