04 ,2009
深海魚 18
■18Rです。苦手な方は閲覧にご注意ください。
いつも伊原の瞳を彩っている鼻につくほどのゆとりが姿を消す。代わって嫉妬に燃える仄暗い恋情の炎を認め、静は伊原の言う通り、自分が目の前の男を見誤っていたことに気が付いた。
普段の軽く見える態度や、派手な恋愛遍歴に伊原という男は本気で誰かを愛することはない人間なのだと勝手に思っていた。客商売にありながら、伊原を表面でしか判断せず、知らぬうちに気持ちを踏みにじり続けていたという事実に、伊原に対する罪悪感が自分の中で育っていく。
ここに来て伊原の懊悩を見せつけられ、身勝手な自分が”翻弄した想い”に静は慄いた。
瞠目した瞳で伊原を見詰め、自らを責め始めた静を観察しながら、伊原はそれとわからぬようほくそえんだ。そして静の表情を読みながら、巧みに伊原もその表情を変えてていく。
伊原の目に静を責める断罪の色を認め、無意識にシーツの上で後ずさる。その肩を摑まれた。ベッドに強い力で押し付けられ、スプリングに沈められる。身動きが取れずもがいた躯を、うつ伏せに返された。
ローブの裾をめくられ、力強い腕に尻を突き出すかたちで持ち上げられ静は呻いた。
「やっ・・・・やめ、うっ!」
あまりの屈辱的なポーズに、ショックで身を捩りながら起き上がった側頭部を伊原の掌が捕えた。乱暴にシーツに戻され強い衝撃に息がつまり、俯せたまま咳き込む。そのまま手指が静のローブを掴むと、息を整えようと忙しなく呼吸を繰り返す背中から一気に剥がし、最後の砦のようにしがみ付いて離そうとしない腕からも強引に引き抜いた。
伊原の目の前に、サーフィンで鍛えられ引きしまった背中や尻が露になる。日焼けを受け付けない肌は、伊原の予想通りに白く、想像以上に伊原を虜にする。その背に掌を這わせ指の腹が背骨を辿ると息を詰めた全身が震えた。やがて染み1つ無い双丘に手が掛かり感蝕を楽しむように柔肌を愛撫した後、指先に力が篭り左右に割り広げられる。賛嘆する伊原の熱の篭った吐息が、自分ですらまともに見たことの無い秘部を掠め、羞恥に身を固くした。
「君は、こんなところまで清楚な成りをしているんだな」
感心するような呆れるような口調で伊原が呟いた。
「み・・・ないで下さい、お願いです」
「なぜ? こんなに綺麗なのに。この可憐で小さな蕾が熟れて厭らしく綻び、僕を呑み込むところを見せてくれるんだろう?」
固く目を閉じ、羞恥に顔を真っ赤にした静の顔を覗き込むと、伊原は口角を上げて嗤い耳朶に歯をたてた。生々しい歯の感触に、俯いた格好のまま静の躯が震える。
滑らかな尻朶に食い込む指が更に割り広げ、後孔に感じたトロリとした液体が垂らされ、その不快さに静は息を呑んだ。液体はゆっくり肌を伝い、半ば勢いを失いかけた性器を伝って、シーツの上に細い線を描きながら滴り落ちていく。大きな掌が包み込み、ヌルリと滑る表面を濡れた淫猥な音を立てながら扱くと、静の性器は再び伊原の手の中で張り詰めた。先端の亀裂に親指が突き立てられ、ローションを擂りこまれる。静の爪が喰い込むほど握り締められた双の拳が、なにかに抵抗するように痙攣した。
じわり、と嫌悪ではないものが自分の中に生まれた。そのことに静は酷く混乱した。
3年間躱し続けた伊原に堕されいる事実に、自分の中のどこかが興奮している。そしてその興奮に気付くことで、より一層、穢れていく自分を知った。
曝された背後の窄まりに指の腹があてられると、静の躯はビクリとひとつ跳ね上がる。円を描くようにゆっくりと後孔を解し始め、突き破るように自分の中に侵入してくると、静は羞恥の声をあげ身を捩った。躯を引こうとするが、性器を弄り続けていた掌に陰嚢をきつく握られ、呻きながら上半身を撓らせてシーツに伏した。伊原の垂らしたローションは更に継ぎ足され、先端の亀裂からも、徐々に綻び始めた後孔からも浸透していく。液体のヌルつきは摩擦の痛みを軽減したが、増やされた指の異物感に静は顔を歪めた。
不意に、静を苛んだ両の掌が静から離れた。
背中や枕に伏せた横顔に、黙って観察するように静を見下ろす伊原の冷静な視線を感じる。
もしかして許されたのだろうか。慄きながら確かめるように振向いた。
「あっ・・・・・ぅ!」
直ぐ後ろに迫っていた淫欲が滾る瞳とぶつかった瞬間、躯の奥深くに焼け付く灼熱を感じ、息を呑んだ。
「感想は、どうだい?」
喘ぎと共に吐き出す吐息まで、熱を孕みだす。
伊原は静を仰向けの体勢に変えさせ、バスタオルを腰から外すと自分の猛り切った牡を静に見せつけた。優しいラインで切り抜かれた鳶色の瞳が恐怖に瞠るのを見届けると、ローションとカウパーにまみれた静の雄蕊と摺り合せる。同じ固さを持った劣情を掌で一緒に包み、大きさの違う2つの熱を捩じり絡めながら扱き上げていく。
目を覆いたくなる光景と伊原の熱と摩り合わされる感触に、体内の熱は焔となって一気に燃え広がった。業火と化した炎は、躯とたった1つ守りたかった恋情を焼き尽くすしてゆく。
気が付くと、静は自分のものとは思えぬ甲高い叫び声を聞いていた。
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深海魚 1 から読む
■静×圭太 関連<SS> ― 願い ―
■河村 圭太 関連作 翠滴 2
いつも伊原の瞳を彩っている鼻につくほどのゆとりが姿を消す。代わって嫉妬に燃える仄暗い恋情の炎を認め、静は伊原の言う通り、自分が目の前の男を見誤っていたことに気が付いた。
普段の軽く見える態度や、派手な恋愛遍歴に伊原という男は本気で誰かを愛することはない人間なのだと勝手に思っていた。客商売にありながら、伊原を表面でしか判断せず、知らぬうちに気持ちを踏みにじり続けていたという事実に、伊原に対する罪悪感が自分の中で育っていく。
ここに来て伊原の懊悩を見せつけられ、身勝手な自分が”翻弄した想い”に静は慄いた。
瞠目した瞳で伊原を見詰め、自らを責め始めた静を観察しながら、伊原はそれとわからぬようほくそえんだ。そして静の表情を読みながら、巧みに伊原もその表情を変えてていく。
伊原の目に静を責める断罪の色を認め、無意識にシーツの上で後ずさる。その肩を摑まれた。ベッドに強い力で押し付けられ、スプリングに沈められる。身動きが取れずもがいた躯を、うつ伏せに返された。
ローブの裾をめくられ、力強い腕に尻を突き出すかたちで持ち上げられ静は呻いた。
「やっ・・・・やめ、うっ!」
あまりの屈辱的なポーズに、ショックで身を捩りながら起き上がった側頭部を伊原の掌が捕えた。乱暴にシーツに戻され強い衝撃に息がつまり、俯せたまま咳き込む。そのまま手指が静のローブを掴むと、息を整えようと忙しなく呼吸を繰り返す背中から一気に剥がし、最後の砦のようにしがみ付いて離そうとしない腕からも強引に引き抜いた。
伊原の目の前に、サーフィンで鍛えられ引きしまった背中や尻が露になる。日焼けを受け付けない肌は、伊原の予想通りに白く、想像以上に伊原を虜にする。その背に掌を這わせ指の腹が背骨を辿ると息を詰めた全身が震えた。やがて染み1つ無い双丘に手が掛かり感蝕を楽しむように柔肌を愛撫した後、指先に力が篭り左右に割り広げられる。賛嘆する伊原の熱の篭った吐息が、自分ですらまともに見たことの無い秘部を掠め、羞恥に身を固くした。
「君は、こんなところまで清楚な成りをしているんだな」
感心するような呆れるような口調で伊原が呟いた。
「み・・・ないで下さい、お願いです」
「なぜ? こんなに綺麗なのに。この可憐で小さな蕾が熟れて厭らしく綻び、僕を呑み込むところを見せてくれるんだろう?」
固く目を閉じ、羞恥に顔を真っ赤にした静の顔を覗き込むと、伊原は口角を上げて嗤い耳朶に歯をたてた。生々しい歯の感触に、俯いた格好のまま静の躯が震える。
滑らかな尻朶に食い込む指が更に割り広げ、後孔に感じたトロリとした液体が垂らされ、その不快さに静は息を呑んだ。液体はゆっくり肌を伝い、半ば勢いを失いかけた性器を伝って、シーツの上に細い線を描きながら滴り落ちていく。大きな掌が包み込み、ヌルリと滑る表面を濡れた淫猥な音を立てながら扱くと、静の性器は再び伊原の手の中で張り詰めた。先端の亀裂に親指が突き立てられ、ローションを擂りこまれる。静の爪が喰い込むほど握り締められた双の拳が、なにかに抵抗するように痙攣した。
じわり、と嫌悪ではないものが自分の中に生まれた。そのことに静は酷く混乱した。
3年間躱し続けた伊原に堕されいる事実に、自分の中のどこかが興奮している。そしてその興奮に気付くことで、より一層、穢れていく自分を知った。
曝された背後の窄まりに指の腹があてられると、静の躯はビクリとひとつ跳ね上がる。円を描くようにゆっくりと後孔を解し始め、突き破るように自分の中に侵入してくると、静は羞恥の声をあげ身を捩った。躯を引こうとするが、性器を弄り続けていた掌に陰嚢をきつく握られ、呻きながら上半身を撓らせてシーツに伏した。伊原の垂らしたローションは更に継ぎ足され、先端の亀裂からも、徐々に綻び始めた後孔からも浸透していく。液体のヌルつきは摩擦の痛みを軽減したが、増やされた指の異物感に静は顔を歪めた。
不意に、静を苛んだ両の掌が静から離れた。
背中や枕に伏せた横顔に、黙って観察するように静を見下ろす伊原の冷静な視線を感じる。
もしかして許されたのだろうか。慄きながら確かめるように振向いた。
「あっ・・・・・ぅ!」
直ぐ後ろに迫っていた淫欲が滾る瞳とぶつかった瞬間、躯の奥深くに焼け付く灼熱を感じ、息を呑んだ。
「感想は、どうだい?」
喘ぎと共に吐き出す吐息まで、熱を孕みだす。
伊原は静を仰向けの体勢に変えさせ、バスタオルを腰から外すと自分の猛り切った牡を静に見せつけた。優しいラインで切り抜かれた鳶色の瞳が恐怖に瞠るのを見届けると、ローションとカウパーにまみれた静の雄蕊と摺り合せる。同じ固さを持った劣情を掌で一緒に包み、大きさの違う2つの熱を捩じり絡めながら扱き上げていく。
目を覆いたくなる光景と伊原の熱と摩り合わされる感触に、体内の熱は焔となって一気に燃え広がった。業火と化した炎は、躯とたった1つ守りたかった恋情を焼き尽くすしてゆく。
気が付くと、静は自分のものとは思えぬ甲高い叫び声を聞いていた。
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■河村 圭太 関連作 翠滴 2
□□最後までお読みいただき、ありがとうございます(*^_^*)ペコリ
FC2が無事復旧、久々のR記事に頭が分裂しそうで~す。
いつものことですが、文章は既に分裂しています。すみません~~
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伊原氏怖いよ~~(;つД`)
守り通してきた操がこんな男に…うう
全てが終わった後のしーちゃんがどうなるのかを思うと…先を読むのが怖いような。
でもそんな風にボロボロになるのってツボだったりするんですよねぇ(←酷っ!
そこから圭太がどう救い上げて行くのかが楽しみです。
今は辛いけど、乗り越えてー!
しーちゃぁ~~ん!!