01 ,2009
翠滴 2 -エピローグ 1-
←(50) 2→
■■■18禁的要素が強い記事ですので、苦手な方はスルーで!
また、花びらが風で流されて、躯の上に舞い落ちた。
吹さらしの能舞台の床やらそこに敷かれた敷布、一糸纏わぬ享一と周の上にも桜の花びらが留まっている。
周が、敷布を舞台に持ち込んだとき抗議をしたが、
「この桜が奇跡的にまだ咲いているのを見た時、
享一をこの桜の下で抱きたいと思いました。いけませんか?」と返された。
これが、記者会見の場で気を吐き、大企業に戦いを挑んだ男と同じ男か、と思えるほど甘く拗ねた表情と声で尋ねてきた。享一が丁寧語を使う周に弱いと知っていてわざと使い、奇跡と言う単語を出され、ブリリアントグリーンの強請る瞳で見つめられると、もう断れる筈もない。
結局、言いなりだ。3年前と同じで、やはり自分はこの男に弱い。
「桜に見られているみたいで、恥ずかしい」
再び小声で抗議すると、悦しそうに含み笑いを漏らして
「恥ずかしがる”サクラ”を抱くのもまた一興、桜の精も喜ぶ」
花曇の明るい午後、享一の躯のうえに舞い落ちた花びらを周の唇が啄ばんでいる。全身朱に染まった躯に薄紅の花びらが映えて、自分がどれだけ淫らに燃えているのかを教えられているようで、見ていられなくなり顔を背けた。
「ああ、やっぱり享一は桜だな」
祝言の時の”サクラ”という偽名は周がつけたものだ。
「周の言う”桜”はこの桜の事なのか?」
男の自分が花に喩えられるというのは、今更ながらに面映い気もする。
見上げると、能舞台の屋根の下にも枝が張り出し、その花びらを散らしている。
「そう、この桜。
永邨のもので、俺の手元に残ったのはこの桜のあるこの屋敷だけだ」
「大事な木なんだな」
「そう・・大事だ・・・」
その先は語らず、享一の躯に留まった花びらを一枚また一枚と唇でひらっては食していく。緩慢なその動きに焦れた躯が震えだした。微弱な快感を余すところなく感じ取ろうと、閉じかけた瞳に天井の木組みが飛び込んできた。
薄暗い舞台の天井に、享一を悩ませ続けた夢を思い出す。熱い泥に塗れながら足袋をはいた白い足が暗い天井を背景に揺れていた。無意識に腕が周を手繰り寄せる。
「ア・・マネ・・・」 「うん?」
顔を上げた周の髪の毛からひらひらと花びらが落ちてきて享一の唇の横に落ちた。追いかけてきた周の唇が花びらを掴まえ、そのまま享一の唇へと運ぶと花びらと一緒に唇が落ちてきて重なった。
周の舌に押し込まれた花びらを唾液と一緒に嚥下する。
周の頭に手を回す腕には、あの熱く絡みつく赤い泥はなく、ただ穏やかな光の中、春の化身である桜の花びらがその皮膚の表面を撫でながら落ちてくる。花びらから目を離すと周が魅惑の瞳に優しさを滲ませ覗き込んでいる。
「ここへ、帰ってこれて良かった?」
「そうだな、でもこれからは享一のいる場所が俺の帰る場所だ」
享一の喉がこそばゆそうに笑い声を立てる。
「もう、本当に完敗だ。よくもそんな、恥ずかしい事をスラスラ口に出せるな」
押し殺しきれない笑い声を隙間から漏らす唇を親指の先で押さえられた。
「だったらもう、おしゃべりはこれ位にしませんか・・・」
言葉の意味と声のトーンに、一気に官能が刺激される。
ここぞと言う時に効果的に丁寧語を口にする周を睨みつけた。
「まったく、そんな罪な流し目を一体どこで覚えてきたのやら」
溜息と共に呟かれ、応酬する。
「流し目じゃなくて、睨んだんだって。周こそ、ここぞって時にその丁寧語を使うのは狡いぞ」
「では、完敗の享一君。四つん這いになって」
含んだような笑い声を上げながら言われた言葉に、享一は耳朶まで赤く染めた。
その様子を見た周が嬉しそうな表情で訊いて来た。
「ひょとして、初めて?」
溜息が漏れた。口には出さないが周は河村に対抗心を燃やしている。子供っぽいと一蹴する事も出来るが、元凶は自分にある。仕方なくノロノロと言われた体勢をとると、今しがた中に放たれた周の精が腿を伝って流れ出し、ブルっと体が震えた。
周にマーキングするようにその白濁した液体を腿や性器にすり付けられ、その行為に欲情が煽られる。尾てい骨の辺りに周の舌を感じ声が漏れる。腰にあてられた周の掌が熱い。その掌に力が篭ると一気に貫かれ、背中を撓らせながら喜悦の声をあげる。熱い掌がエレクトした享一を包むと羞恥と快感が綯交ぜになって躯が震え、貫かれるたび唾液と生理的な涙が睫を伝い、敷布に落ち新たな染みをつくった。
喘ぎ、震えながも何とか快感をやり過ごそうとする享一の耳朶に周が背後から唇を寄せる。熱い吐息が耳朶を掠めると視界に霞がかかり、凡てが暗転した。
享一、桜が見ている
■■■18禁的要素が強い記事ですので、苦手な方はスルーで!
また、花びらが風で流されて、躯の上に舞い落ちた。
吹さらしの能舞台の床やらそこに敷かれた敷布、一糸纏わぬ享一と周の上にも桜の花びらが留まっている。
周が、敷布を舞台に持ち込んだとき抗議をしたが、
「この桜が奇跡的にまだ咲いているのを見た時、
享一をこの桜の下で抱きたいと思いました。いけませんか?」と返された。
これが、記者会見の場で気を吐き、大企業に戦いを挑んだ男と同じ男か、と思えるほど甘く拗ねた表情と声で尋ねてきた。享一が丁寧語を使う周に弱いと知っていてわざと使い、奇跡と言う単語を出され、ブリリアントグリーンの強請る瞳で見つめられると、もう断れる筈もない。
結局、言いなりだ。3年前と同じで、やはり自分はこの男に弱い。
「桜に見られているみたいで、恥ずかしい」
再び小声で抗議すると、悦しそうに含み笑いを漏らして
「恥ずかしがる”サクラ”を抱くのもまた一興、桜の精も喜ぶ」
花曇の明るい午後、享一の躯のうえに舞い落ちた花びらを周の唇が啄ばんでいる。全身朱に染まった躯に薄紅の花びらが映えて、自分がどれだけ淫らに燃えているのかを教えられているようで、見ていられなくなり顔を背けた。
「ああ、やっぱり享一は桜だな」
祝言の時の”サクラ”という偽名は周がつけたものだ。
「周の言う”桜”はこの桜の事なのか?」
男の自分が花に喩えられるというのは、今更ながらに面映い気もする。
見上げると、能舞台の屋根の下にも枝が張り出し、その花びらを散らしている。
「そう、この桜。
永邨のもので、俺の手元に残ったのはこの桜のあるこの屋敷だけだ」
「大事な木なんだな」
「そう・・大事だ・・・」
その先は語らず、享一の躯に留まった花びらを一枚また一枚と唇でひらっては食していく。緩慢なその動きに焦れた躯が震えだした。微弱な快感を余すところなく感じ取ろうと、閉じかけた瞳に天井の木組みが飛び込んできた。
薄暗い舞台の天井に、享一を悩ませ続けた夢を思い出す。熱い泥に塗れながら足袋をはいた白い足が暗い天井を背景に揺れていた。無意識に腕が周を手繰り寄せる。
「ア・・マネ・・・」 「うん?」
顔を上げた周の髪の毛からひらひらと花びらが落ちてきて享一の唇の横に落ちた。追いかけてきた周の唇が花びらを掴まえ、そのまま享一の唇へと運ぶと花びらと一緒に唇が落ちてきて重なった。
周の舌に押し込まれた花びらを唾液と一緒に嚥下する。
周の頭に手を回す腕には、あの熱く絡みつく赤い泥はなく、ただ穏やかな光の中、春の化身である桜の花びらがその皮膚の表面を撫でながら落ちてくる。花びらから目を離すと周が魅惑の瞳に優しさを滲ませ覗き込んでいる。
「ここへ、帰ってこれて良かった?」
「そうだな、でもこれからは享一のいる場所が俺の帰る場所だ」
享一の喉がこそばゆそうに笑い声を立てる。
「もう、本当に完敗だ。よくもそんな、恥ずかしい事をスラスラ口に出せるな」
押し殺しきれない笑い声を隙間から漏らす唇を親指の先で押さえられた。
「だったらもう、おしゃべりはこれ位にしませんか・・・」
言葉の意味と声のトーンに、一気に官能が刺激される。
ここぞと言う時に効果的に丁寧語を口にする周を睨みつけた。
「まったく、そんな罪な流し目を一体どこで覚えてきたのやら」
溜息と共に呟かれ、応酬する。
「流し目じゃなくて、睨んだんだって。周こそ、ここぞって時にその丁寧語を使うのは狡いぞ」
「では、完敗の享一君。四つん這いになって」
含んだような笑い声を上げながら言われた言葉に、享一は耳朶まで赤く染めた。
その様子を見た周が嬉しそうな表情で訊いて来た。
「ひょとして、初めて?」
溜息が漏れた。口には出さないが周は河村に対抗心を燃やしている。子供っぽいと一蹴する事も出来るが、元凶は自分にある。仕方なくノロノロと言われた体勢をとると、今しがた中に放たれた周の精が腿を伝って流れ出し、ブルっと体が震えた。
周にマーキングするようにその白濁した液体を腿や性器にすり付けられ、その行為に欲情が煽られる。尾てい骨の辺りに周の舌を感じ声が漏れる。腰にあてられた周の掌が熱い。その掌に力が篭ると一気に貫かれ、背中を撓らせながら喜悦の声をあげる。熱い掌がエレクトした享一を包むと羞恥と快感が綯交ぜになって躯が震え、貫かれるたび唾液と生理的な涙が睫を伝い、敷布に落ち新たな染みをつくった。
喘ぎ、震えながも何とか快感をやり過ごそうとする享一の耳朶に周が背後から唇を寄せる。熱い吐息が耳朶を掠めると視界に霞がかかり、凡てが暗転した。
享一、桜が見ている
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□□最後までお読みいただき、ありがとうございます(*^_^*)ペコリ
<お詫び>
昨日の更新分、春雷3の後半に加筆をしました。更新をしたものの、
文章がどうも紙魚らしくない(しつこさが足りない?・・・苦笑~)と
大幅に書き足してしまいました。ポッチしてくれた皆様、コメントをくださった方に
本当に申し訳ないと、反省しております。
残りのエピローグは慎重に書きたいので、書きあがり次第の更新に
させていただきたいと思います。
最近、かなり弛んでますね。本当にゴメンなさい!! m(_ _)m
2009/1/30 紙魚
日ごろコメント・拍手・村ポチありがとうございます。
読み手の皆さまからの、パワーを頂いております。
本当に、感謝です~~。
ブログ拍手コメントのお返事は、サイトの”もんもんもん”の
ブログ拍手コメ・メールのお返事からか、もしくは*こちら*から

□□最後までお読みいただき、ありがとうございます(*^_^*)ペコリ
<お詫び>
昨日の更新分、春雷3の後半に加筆をしました。更新をしたものの、
文章がどうも紙魚らしくない(しつこさが足りない?・・・苦笑~)と
大幅に書き足してしまいました。ポッチしてくれた皆様、コメントをくださった方に
本当に申し訳ないと、反省しております。
残りのエピローグは慎重に書きたいので、書きあがり次第の更新に
させていただきたいと思います。
最近、かなり弛んでますね。本当にゴメンなさい!! m(_ _)m
2009/1/30 紙魚
日ごろコメント・拍手・村ポチありがとうございます。
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本当に、感謝です~~。
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益々素敵なお話になっていて、感嘆の溜息が(;´Д`)=3ほぅ
そしてこのエピローグ・・・・・なんて綺麗なのかしら~。
桜の花弁が舞う様が、瞼の裏に浮かんで来るようです。
そして能舞台に敷き詰められた敷き布・・・その上で絡み合う2人。
すごいです、情景がありありと!
さすが紙魚さまーー!!
あぁ~エチィなのにこんなに爽やかって素敵♪
春の風音が聞こえてくる気がします(*´∀`*)