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紙魚

Author:紙魚
近畿に生息中。
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*お知らせ*
長らくみなさまから頂戴した拍手コメント・メールへのお返事は、別ブログの”もんもんもん”にてさせて頂いていましたが、2016年4月より各記事のコメント欄でお返事させて頂くことにしました。今まで”もんもんもん”をご訪問くださり、ありがとうございました。く



    
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翠滴 1部  お礼&後記
 嗚呼-----っ!!!
なんという終わり方をしてしまったんでしょう(゜Д゜;)

 ハピエではなく、ほろ苦く爽やかな若者の青春風?・・・なのは最後の1行だけで、
かなりドロドロで終わってしまいました。BL・MLにあるまじき終わり方です・・・。
アタクシが読者なら、間違いなく荒れます。暴れれます。
2部では間違いなくハピエにもっていきますので、ハピエを期待された方
懲りずに読んだろか~という方、どうかお許しくださいませ!!!

 振り返れば40話+サイドの7話。無事終えることが出来ました。感慨無量です。
翠滴は処女作で途中、語彙と表現力の乏しさに悩んで何度も挫折しそうでした。
その分、愛しい作品でもあります。なんとか、最後まで書ききれましたのも、
偏に読んでくださる方々がいてくれたお蔭と、感謝しております。

 皆さま、本当にありがとうございました。(ペコ・ペコ・ペコ・ペコ・・・・
 本当に読んでくださった方々一人一人に、頭を下げてお礼を言って回りたいくらいです。


 翠滴の1部は設定上、全体的に御伽噺っぽかったのですが、2部は、キョウちゃんも
就職してます。この就職難の中、なんとか中堅ゼネコンに入社。
リーマンでございます(ウフッ☆
1部が若干、重めだったので、2部はもう少し軽さを心掛けたい気持ちはあるけれど
紙魚の書くものなので、どう転んでも紙魚ワールドになっちゃうと思いますf^_^;ユルシテね☆

 最後の方・・・って、ココ一週間ほどなんですが、体調を崩していまして
イマイチ納得のいくものが書ききれておりません(って、他の出来が、超イイみたい・・・(笑)
ゆとりと時間ができたら、改稿するかもしれません。モチロン、自己満です・・(ニヤリ;

 上記の理由から、2部の再開まで少しだけ、更新を、お休みしようかと思います。
また、1からのスタートに戻るかと思いますが、元々ひっそり・こっそりが合言葉の
Night gateでございます。マイペースで、UPしていければよいかなと思います。
よろしければ、また覘いてやってくださいマセ。というか、お会いできるものと信じてます(キラキラ

 お休み中にSSでコメディ系のものを一本UPできればよいなあと思っていますがこれも、
体調次第です。あと、念願のBLブログ村周遊の旅~!タイトルが気になって読みたい~
と思ってるのに、時間が無くて読めていないお話がワンサカとあります。中には終わって
しまったものも・・・(涙)探せるかな~オロオロ・・・
兎に角、他の書き手の皆さんはプロ並みの文章力をお持ちの方々が多いので、もしかしたら
カウンターパンチを食らって、我が身の出来の悪さに再起不能になるかもしれません。
その時は、再スタートが延びるかもです(^◇^;)。。。なるべく、早めに復活します☆

 最後に、地味なブログのこんな散漫な地味コメまで読んで頂き、ありがとうございます。
読んでくださった方、コメを下さった方、ポチポチと応援をくださった皆さまに、心の底から
お礼と感謝を申し上げたいと思います。また、ご意見、ご感想などありましたら、メールか
コメントで書き込みを頂けると、嬉しく思います。

本当に、ありがとうございました。


                      2008/11/22 紙魚

テーマ : BL小説書きの日記    ジャンル : 小説・文学

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Category: 翠滴 1 (全40話)

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翠滴 1-11 秋空  3 (40)最終話
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 「鳴海・・・さん」

 「おはようございます、時見様」

 「ん?享一?」

 鳴海の項に顔を埋めていたいた周が、物憂げにゆっくりこちらを向いた。淫行で蕩けそうな瞳が細められ顔に緩い笑顔を刷く。気だるそうに溜息をつくと、唇や躯から淫蕩な空気が滲み出てくる。

 「享一君、おはようございます。昨日は初夜をすっぽかして、すみませんでしたね
  何か、用ですか?」

 「これは、どう・・・」言葉が続かなかった。

 周は鳴海を抱き込むように座りなおすと、悪びれもせず部屋の真ん中で立ち尽くす享一を見遣った。鳴海はどちらに視線を注ぐでもなく成り行きを傍観するように、薄く笑いを浮かべたまま黙っている。

 「見ての通りです。鳴海と僕はこういう関係です。ああ、きっと君が訊きたいのは、
 君との関係のことですね。君とのことは基弥とゲームで賭けをしました」

 「賭け?」

 「祝言までに、花嫁役のノーマル君をほんとうに落とせるかどうかの賭けです。
 結果は享一君も知っての通り、僕の勝ちです。ねえ、基弥?」

 「ええ。私の負けを認めますよ」


 静かな部屋に周の頬を打ち付ける高い音が響き渡った。
 何の言葉も発さず、享一は部屋を出た。
 階段を走って上がる足音と、上の引き戸を荒っぽく閉める音が聞えて部屋の中に静寂が訪れた。

 「いいのですか?これで」

 「鳴海、もういい。もう、何も言うな」

 鳴海がそっと訊いてきた。周は叩かれた頬を立てた膝の上で組んだ腕の中に沈めたまま答えた。シーツの皺に消えていくその声は、泣いているようにも叫んでいるようにも聞こえた。




 人というのは、本当にショックなことがあると神経や感情が麻痺してしまうものらしい。
 心は、驚くほど何も感じていなかった。部屋に戻り荷物を纏めていると、部屋の引き戸をノックする音がした。
 引き戸を、ノック。 
 なんか、陳腐だ。などと現実感の無い浮遊した頭で考えながら無視していると、勝手に戸が開いた。

 「駅まで送ります」
 「どうして、俺が鳴海さんに送ってもらわなければいけないんですか?」
 「歩けば、軽く2時間はかかるでしょうし、しかもその荷物です」

 荷造りをする手が止まり、返事も返さない。

 「早く、この地から離れたいのではないですか?車を回しておきますから
 意地を張らずにお乗りなさい」そう言って鳴海は部屋を出て行った。


 自分の中の情熱とかそういったものが息絶えていくのを感じた。
もう、なにも感じることは無い。自分が中身が空洞のセルロイドの人形にでもなってしまったかのようだった。振れば、死んで固化した心がカランカランと中で揺れて、乾いた音がするに違いない。
 なのに、なぜ胸が痛むのか?涙が零れ落ちるのは・・・?
 
 人の気持ちは変わる。それでも、想いを打ち明けたいと思った。
そのくせ、周は俺を裏切ったりはしない。頭のどこかでそう信じていた。
 だが、変わるべき心など、最初からどこにも存在しなかった。周は、最初から遊びだったのだ。
男に遊ばれたという惨めな現実だけが残り、その仕打ちをしたのが何度も享一に「惚れた」と打ち明け、享一も心の底から手に入れたいと願った男だという事実が享一を更に打ちのめした。

 「時見様、これをお返ししておきます」

 駅について鳴海から渡されたのは周に取り上げられていた享一の携帯だ。

 「その”様"付けで呼ぶのはやめてください。もう俺はあなた達とは関係が無いし、
 今後、一切関わりを持つ気もありませんから、ご心配なく」
 「ありがとうございます。周様からも、ここでのことは、総てお忘れになっていただきたいと
 伝言を託っております」
 「・・・・周もあんたも、最低だ」

 「いつもこんなくだらない卑劣な遊びをやってんのかよ?
 人の心を弄んで、何が楽しいんだよ。なんで、周は・・・」

 鳴海と二人、駅前のロータリーで向かい合っていたが、享一は言葉に詰まると俯いて踵を返し駅のホームに消えていった。頬を濡らす涙がいじらしくもあり、また憎らしくもある。
 享一の消えた方向に向かって、鳴海は独りごちる。

 「なんでって・・・・、君を守る為じゃないですか。愛の力なんて、詰まるところ
 この程度ということでしょうかね 時見クン?」

 周は、時見 享一という人間を愛したが故に、サクラという新たな枷を嵌められ,神前からは二度と逃げられない。まさか、愛人として自分と一緒に新婦まで要求されるとは思っていなかった、周の完全なる誤算だ。所詮、神前が一枚も二枚も上手だったという事だ。

 屋敷に戻りジャガーから降りると、田園や山々の長閑な空気を震撼させるガラスを割る高い音が響いた。音の大きさからして、周の部屋の嵌め殺しのガラス窓に違いない。

 「周っ!!」

 鳴海が運転席のドアを荒々しく閉め、屋敷に向かって走り出す。その後ろを真っ赤なZが爆音を上げて走り去った。慌てて戻り門の外に走り出た。遥か彼方で砂埃を上げながらフェアレディが駅の方向へと勢いを上げて曲がっていく。

 「随分と、・・・可愛くなったものですね」

 間に合うはずは無い、周の運転をもってしても、後5分で駅に着くのは不可能だ。
周もそんなことは、百も承知のはずだ。
だが、鳴海自身、「でも、もしかしたら」と考える自分に気が付き、自嘲しながら溜息をひとつ漏らした。

 どこまでも高い空が、季節が変わったことを自分達に教えていた。

                         
-fin-


 

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